山くらげの正体は、キク科アキノノゲシ属に分類される「茎レタス(ステムレタス)」だ。私たちが普段サラダで目にする玉レタスとは異なり、葉ではなく太く育つ茎の部分を食用とする。皮を剥いた緑色の鮮やかな肉質部を細長く切り裂き、カラカラになるまで天日で干し上げることで、あの唯一無二の歯ごたえが生まれる。
ネーミングの背景には、昔の人のユーモアと切実な食へのこだわりが隠されている。海から遠く離れた山間部で「海の高級食材であるクラゲの食感を再現したい」という想いから「山くらげ」と名付けられた。乾燥によって水分が抜け、高密度に凝縮された植物繊維こそが、生野菜には決して出せないあの弾力の秘密だ。