ミニオンたちの破天荒な暴走を支えているのは、彼らの「ボス」である怪盗グルーとの人間関係に他ならない。かつては世界一の悪党を目指していた一匹狼が、3人の娘を育て、妻ルーシーと出会い、父親として奮闘する姿は、ハリウッド映画としても極めて質の高い家族の成長記録となっている。
悪党であり続けたいと望みながらも、家族への愛情を隠しきれないグルー。そして、最強の悪党に仕えたいはずなのに、結果としてグルーの家庭のピンチを救ってしまうミニオンたち。この倒錯した関係性と、ドタバタ劇の裏側に漂うそこはかとないペーソス(哀愁)が、大人の観客の涙腺をも刺激する。単なる子供騙しに終わらない立体的なドラマ性がここにある。