停電やモーター焼損によってガレージ内に自家用車が閉じ込められた際、最も重要なのが電動シャッターの手動切り替え方法を正しく理解し、安全に退避させる手順です。誤った操作を行うと、自重数十キロ〜百キロを超えるスラットが突然自由落下し、重大な人身事故や車両破損を招く危険性があります。
電動シャッターの駆動系には、停電時用の手動解放機構(クラッチレバーまたはワイヤー)が標準装備されています。天井付近や点検口内部、あるいは開閉機ボックスの横から垂れ下がっている「手動解放リング・コード(通常は赤色や黄色)」を引くことで、モーターの電磁ブレーキが物理的に解除され、手動での開閉が可能になります。
現場取材においてシャッター技術者が警鐘を鳴らすのが、「手動解除時の落下衝撃」です。経年劣化によってバランススプリング(巻き上げ補助バネ)が破断している場合、ブレーキを解除した瞬間にスラットが一気に落下してきます。手動切り替えレバーを操作する際は、必ずシャッターの下に人や車がいないことを確認し、片手でスラット下部を支えながら慎重に操作する必要があります。また、用が済んだ後は必ず手動切り替えレバーを元の位置(電動側)へ戻さないと、電力が復旧しても空回りして動作しません。