SNSや一部の育児系ブログで「旅行先のホテルにある電気ケトルでお湯を沸かし、そのまま哺乳瓶を入れて煮沸消毒すれば荷物が減る」という裏ワザが紹介されるケースがあります。しかし、この方法は衛生面・安全面・宿泊マナーのすべての観点から極めてリスクが高く、避けるべき行為です。
ホテル客室の備え付けケトルは、構造上ヒーター部分が露出しているタイプもあり、プラスチックやシリコン製の乳首が底面に触れて溶融・破損する危険性があります。さらに、過去の宿泊者がどのような用途(カップ麺の残り湯の再加熱、衣類の簡易煮洗いなど)で使用したか確認できず、免疫力の弱い乳児の口に入る器具を直接投入するのは衛生管理上大きな疑問が残ります。
また、旅先で「数回くらい洗剤で洗うだけで消毒なしでも代用できるか?」という疑問を持つ方も少なくありません。これについて小児保健の一般的な指標では、生後3〜4ヶ月未満の免疫が未熟な時期は必ず消毒を継続することが推奨されています。一方で、離乳食が進みおもちゃを床から拾って舐める生後6ヶ月以降であれば、洗剤での徹底した物理洗浄と十分な乾燥を行うことで、一時的な緊急事態に対応する運用も現実的な選択肢となります。