子育ての現場において、「2人目を産んで後悔した」という感情は極めてタブー視されやすい傾向にあります。周囲からは「兄弟ができて賑やかでいいね」「2人いれば将来助け合える」といった無邪気な言葉をかけられることが多く、弱音を吐くことすら許されないような孤独感に苛まれるケースが後を絶ちません。
しかし、匿名性の高いコミュニティやカウンセリングの現場に寄せられる相談を見ると、「2人目育児で限界を感じ、一人っ子のほうがよかったのではないかと自問自答している」という切実な叫びは日常茶飯事です。一人っ子だった頃は穏やかに笑顔で接することができていたのに、2人目が生まれてからは常に眉間にしわを寄せ、怒鳴ってばかりの毎日に涙を流す親たちが大勢存在します。
この心理の根底にあるのは、親自身のキャパシティの限界です。人間の脳と身体が一度に処理できるマルチタスクの量には限界があり、子どもの数が2人になったからといって親のエネルギーが2倍に増えるわけではありません。愛情がないから後悔しているのではなく、「自分自身の心身が壊れそうなほどの過負荷状態に置かれている」からこそ、過去の平穏だった選択肢へと心が防衛反応を示しているのです。