男の子の節句を象徴する装飾といえば、室内に飾る五月人形や兜飾り、そして屋外を泳ぐ鯉のぼりです。それぞれ異なる願いと役割が込められています。
五月人形や兜飾り・鎧飾りには、病気や事故、災難などの厄から男の子の身を守る「身代わり」「お守り」の意味が込められています。かつての武士にとって兜や鎧は命を守る最も重要な防具でした。現代においても、厳しい社会の荒波から我が子を守り、強く逞しく育ってほしいという切実な祈りの結晶といえます。
一方、外飾りの代表格である鯉のぼりは、中国の故事「登竜門」に由来します。急流を登りきった鯉が龍になって天へと昇ったという伝説から、どんな環境でも道を切り拓き、立身出世を果たすようにとの願いが込められました。江戸時代の町人たちが、武家の幟旗(のぼりばた)に対抗して揚げ始めたのが始まりです。
飾る時期(いつからいつまで)については、春分の日(3月20日前後)を過ぎた頃から4月中旬の大安など縁起の良い日に出すのが理想的です。前日に慌てて出す「一夜飾り」は縁起が悪いとされるため避けましょう。片付ける時期は、5月5日を終えた後の5月中旬頃までの晴れて湿気の少ない日が最適です。湿気を帯びたまま収納するとカビやシミの原因になるため、よく晴れたカラッとした日を選んで丁寧にしまいます。