来場者の声を聞くと、この作品が単なるフィクションにとどまらないリアルな熱量を持っていることがよくわかる。都内の高校に通う男子生徒(17)は興奮気味に語った。「学校で理不尽なイジメがあっても、先生は事なかれ主義で助けてくれないことがある。ファジンが校内暴力の加害者を叩きのめすシーンを読むと、胸がすっとする。現実にも教権保護局みたいな組織があってほしいと思うくらいです」。
驚くべきは、大人世代、特に教育現場に携わる人々の来場が目立った点だ。埼玉県から訪れた30代の元中学校教員の女性は、複雑な表情を見せた。「作中の体罰や制裁は現実では許されないことです。しかし、現場で教師の尊厳が踏みにじられ、どうにもできない無力感に苛まれていた私にとって、このマンガは唯一の救いでした。過激ですが、そこに描かれている怒りは本物です」。ファンの言葉からは、作品のエンタメ性を超えた、社会への切実な叫びが聴こえてくる。