物語を理解する上で最も多くの読者が混乱したのが、「ともだち」という存在の二重構造です。実は作中における首謀者は1人ではなく、途中で入れ替わった2人の同級生でした。
初代ともだちは、ケンヂたちの同級生であるフクベエ(服部哲也)です。彼は幼少期から自己顕示欲が異常に強く、「みんなの中心になりたい」という歪んだ承認欲求から予言の書を具現化し、世界を恐怖に陥れました。しかし、フクベエは物語中盤の理科室において、元仲間である山根の手によって射殺され、あっけなく退場します。
フクベエの死後、その遺志を継いで「2代目ともだち」として君臨したのがカツマタ君でした。カツマタ君は小学生時代、駄菓子屋「ジジババ」で宇宙特捜隊のバッジを万引きした濡れ衣を着せられ、いじめを受けた挙句、周囲から「存在しないもの(死んだもの)」として扱われた悲劇の少年です。フクベエが「世界の神になりたかった男」だとすれば、カツマタ君は「自分を透明人間扱いした世界そのものを消滅させたかった男」であり、2人の目的と狂気には明確な違いが存在します。