インターネット上で流布している「トマトは水を極限まで切れば甘くなる」という言説には、大玉トマト栽培における重大な罠が潜んでいます。ミニトマトであれば厳しい水切り栽培によって高糖度化(フルーツトマト化)が可能ですが、果実サイズが大きい大玉トマトで極端な水切りを行うと、果実がピンポン玉サイズで成長を止めたり、前述の尻腐れ病が多発して全滅するリスクがあります。
また、整枝作業における「葉かき(下葉取り)」に関する誤解も根深く存在します。風通しを良くするために青々とした健康な葉まで次々と切り落としてしまう人がいますが、大玉の果実を太らせるためには、1花房あたり最低でも3枚の健全な本葉が必要です。光合成工場である葉を奪われた大玉トマトは、十分な糖分とデンプンを果実に送り込めず、最終的にスカスカで酸味の強い実しか残りません。除去すべきは「黄色く変色した老化葉」や「地面に触れている最下部の葉」に限定するのが鉄則です。