この奇妙な同名関係を紐解くには、終戦直後の1945年に時計の針を戻す必要がある。大阪・難波の焼け跡で、台湾出身の羅邦強ら4人の若者が立ち上げた一軒の食堂「蓬莱食堂」がすべての原点だ。困窮する時代に安くて栄養のある中華料理を提供し、瞬く間にミナミの名物店へと成長した。
だが、商売の拡大と時代の移り変わりに伴い、1962年に発生した火災などを契機として経営方針の見直しが迫られる。創業者たちはそれぞれの得意分野と将来構想に基づき、1964年に事業を平和的に3分割することを決断した。暖簾を分かち合い、互いの領域を侵さない形でスタートしたこの分社化こそが、現在に至る「蓬莱」ブランド併存のルーツである。