8.8Cm砲Flak36の真相|対空兵器が最強戦車キラーとなった理由の最新情報をお届けします。最新トレンドが満載です。

ドイツにおける中口径高射砲の系譜は、第一次世界大戦の敗戦に伴うヴェルサイユ条約の軍備制限下から始まります。兵器開発を厳しく制限されたドイツ軍部と名門クルップ社は、中立国スウェーデンの兵器メーカー・ボフォース社と極秘裏に提携を結び、次世代対空兵器の研究を継続しました。そこで培われた高初速砲のノウハウが、ナチス政権獲得後の1933年に制式化された「8.8 cm Flak 18」の土台となります。

ドイツ軍の高射砲諸元性能において特筆すべきは、大口径でありながら極めて高い発射速度と弾道直進性を両立させた点にあります。口径88mm、56口径(砲身長約4.9m)という長砲身から射出される砲弾は、初速820m/sという猛烈なスピードを誇りました。この圧倒的な砲口初速こそが、高度8,000m前後の高空を飛翔する敵機を捉えるだけでなく、水平射撃時における恐るべき破壊エネルギーの源泉となったのです。

兵士たちから親愛と恐怖を込めて「Acht-Acht(アハトアハト=ドイツ語で88)」と呼ばれた本砲は、十字架型の射撃台座(十字射法盤)を備え、全周360度の迅速な旋回が可能でした。この柔軟な設計思想が、後に予期せぬ対地戦闘で決定的なアドバンテージを生み出すことになります。