「ただいま車内点検を行っております」という放送が流れたとき、車内では何が起きているのか。その実態は、乗客の嘔吐物の清掃から、放置された不審物の確認、乗降ドアの不具合や落とし物の挟まり除去まで様々だ。衛生面や防犯上の安全が確保されない限り列車を動かせないため、乗客が思う以上に時間を要する。
さらに深刻なのが「線路内立ち入り」だ。単なる不法侵入や近道目的の立ち入りだけでなく、ホームからの転落やトラブルが疑われるケースもある。人身事故を未然に防ぐため、防護無線が発報されると周辺を走るすべての列車が一斉に停止する。鉄道業界において、たった一人の無謀な行動が沿線全体のダイヤを麻痺させる最大の要因となっているのだ。