結論から整理すると、明かりや照明が灯るという意味で漢字を当てる場合、本来の正解は「点く」です。「電気が付く」と書くのは漢字の意味から見ると明確な誤用にあたります。
両者の決定的な違いは、漢字そのものが持つ原義にあります。「点」という漢字には「ともす・火をつける」という意味が含まれており、「点火」「点灯」といった熟語からも明らかなように、光や熱が発生する状態を表します。したがって、スイッチを入れて部屋が明るくなる現象は「電気が点く」「照明が点く」と表記するのが語義として正確です。
一方、「付」という漢字は「くっつく・付着する・添える」という意味を持ちます。「服にゴミが付く」「自信が付く」「条件が付く」のように、ある物が別の物に密着したり付加されたりする際に用いるのが本来の用法です。「電気が付く」と書いてしまうと、電気という物理現象が何かにペタッと付着したような不自然な意味合いになってしまいます。
なお、場所への到達を意味する「着く(目的地に着く、席に着く)」も同音ですが、光の点灯とはまったく関係がありません。「点く」「付く」「着く」の意味の違いを整理すると、以下の明確な境界線が存在します。
- 点く:火や明かりが灯る、燃え始める(例:電気が点く、ガスコンロに火が点く、街灯が点く)
- 付く:接触する、付着する、機能・価値が加わる(例:汚れが付く、利息が付く、気が付く)
- 着く:目的地に到達する、特定の場所に身を置く(例:駅に着く、席に着く)