11人という大所帯でありながら、誰一人として埋もれることなく、それぞれのドラマを際立たせる『Awaken the power』の緻密な歌割りは圧巻の一言に尽きる。本作のセンターを務めるのは黒澤ルビィと鹿角理亞のふたりだ。
楽曲は、静けさの中に決意を秘めたルビィと理亞のソロパートから幕を開ける。そこから徐々に各メンバーが歌い継ぎ、姉であるダイヤと聖良の力強いハーモニーが重なっていく構造は、まさに劇中のストーリーテリングそのものだ。学年ごとの組み合わせや姉妹の掛け合いが巧みに配置され、パートが進むごとに熱量が雪だるま式に膨れ上がっていく。
そして、11人全員が声を揃えるサビのユニゾンでは、Aqoursの透明感あるハーモニーとSaint Snowのパワフルなロックボイスが見事な化学反応を起こす。理亞のエッジの効いたラップ調のボーカルや、ルビィの芯のあるハイトーンが絶妙なアクセントとなり、11人編成ならではの圧倒的な音圧と立体的なボーカルワークを実現している。