八代亜紀さんが異変を自覚されたのは、2023年8月下旬のことでした。定期的な検診や日々の生活のなかで複数の病院を受診した結果、膠原病と診断され、同年9月12日に年内の活動休止と治療専念が公表されました。当時のコメントで八代さんは「少しの間、お休みをいただきますが、必ず元気になって皆さんの前へ戻ってまいります」と力強く復帰を誓っていました。
入院生活に入ってからも、八代さんの意識は常にステージとファンに向けられていました。関係者の取材証言によると、病室でも発声練習のイメージトレーニングを欠かさず、病状が一時的に落ち着いている時間には、自らの代表曲である『舟唄』やジャズのスタンダードナンバーを口ずさむ場面もあったと伝えられています。
しかし、12月に入ると容態は急激に不安定さを増していきました。集中治療室(ICU)での治療が続けられるなか、最期は事務所スタッフや近親者に見守られながら、眠るように安らかに息を引き取られたと所属事務所は発表しています。苦痛に顔を歪めることなく、穏やかな表情のまま天国へと旅立った姿は、生涯にわたって人々を癒やし続けた彼女の優しさそのものを象徴していました。