公表当時、多くの人々が耳慣れない病名に驚きを隠せませんでした。「脊髄空洞症」とは、脳と全身をつなぐ中枢神経である脊髄の内部に脳脊髄液が溜まり、空洞が形成されてしまう病気です。国の指定難病に定められており、発症率は人口10万人に1人程度とも言われる非常に希少な疾患です。
空洞が徐々に大きくなるにつれて脊髄の内側から神経組織が圧迫され、以下のような深刻な症状を引き起こす危険性があります。
- 知覚障害:温痛覚(温度や痛みを感じる感覚)の麻痺や強いしびれ
- 運動麻痺:手足の筋力低下、細かい指先の動作が困難になる巧緻運動障害
- 自律神経障害:発汗異常や排尿障害、重度の場合は歩行困難や全身麻痺
柏木由紀の場合は、脊髄の中に良性の腫瘍が存在したことで脳脊髄液の流れが滞り、空洞ができていたことが判明しました。放置すれば左手だけでなく全身に麻痺や後遺症が広がる恐れがあったため、早期の手術治療が不可欠な状況だったのです。