King Gnuを語る上で欠かせないのが、リーダーの常田大希との運命的な関係性です。2人は同じ長野県伊那市の出身で、小学校・中学校の幼馴染でした。小中学校時代は学年こそ違えど(常田が1歳上)、地元合唱部や地域の音楽活動を通じて早くから互いの存在を認識していました。
その後、それぞれが音楽の道を志して上京し、偶然にも東京藝術大学(常田は器楽科チェロ専攻、井口は声楽科)で再会を果たします。常田が立ち上げた前身バンド「Srv.Vinci(サーヴァ・ヴィンチ)」に井口がボーカルとして招かれたことで、現在のKing Gnuへと繋がる伝説が幕を開けました。常田は井口の声について「誰にでも届く大衆性を持った稀有な声」と評しており、絶対的な信頼を寄せています。
また、井口理を育んだ家族構成も非常にユニークです。4人兄弟の末っ子として育った井口理ですが、次兄の井口達(とおる)はドイツ留学を経て国際的に活躍するプロの声楽家(バリトン歌手)です。実兄が本格派オペラ歌手として活動する家庭環境にあり、母親の純代さんも地元の文化活動に深く関わるなど、音楽が生活の真ん中にある環境で育ちました。こうした豊かな音楽的血脈が、井口理の豊かな表現力の土壌となっています。