彼女が選んだ次のステージは、あまりにも過酷なキックボクシングの世界だった。バラエティ企画の延長と捉える冷ややかな視線も少なくなかった。だが、ジムに通い詰め、プロキックボクサーとしてのライセンス取得を目指して己を追い込む姿に、やがて嘲笑の声は消えた。
リングの上には嘘がない。どれだけテレビで人気があろうと、相手の拳は容赦なく顔面を捉える。減量に苦しみ、呼吸を荒らげ、セコンドの声に涙を流しながら叫ぶ彼女の表情は、バラエティで見せていたものとは完全に別物だった。傷だらけの顔で勝ち名乗りを受ける姿、あるいは惨敗して膝を折る姿。そこには、台本のないリアルな人間ドラマが凝縮されていた。