フィリピンにおいて、バロットは古くから「天然のバイアグラ」「究極のスタミナ源」として語り継がれてきました。夕暮れ時から深夜にかけて路上で盛んに売られる背景には、単なる間食の域を超えた栄養補給の意味合いがあります。
食品成分分析の観点から見ても、バロットは驚異的な栄養価を誇ります。アヒルの卵自体の高い栄養素に加え、ヒナの組織形成に伴って高濃度の良質なたんぱく質、ビタミンA、ビタミンB群、鉄分、カルシウム、ナイアシンが豊富に生成されます。1個(約60g)あたりのエネルギーは約100〜130kcalでありながら、体力の急速な回復を促すアミノ酸スコアに優れています。
かつて重労働に従事するマニラの港湾労働者やドライバーたちが、夜勤前後の活力維持のために好んで食べたことが、現代に続く「夜のストリートフード文化」の土台となりました。