語学や辞書の棚の前に立つと、言葉という大海原に挑む人々の情熱がひしひしと伝わってくる。三浦しをん氏の小説を原作とした映画『舟を編む』で描かれたような、1つの単語に途もない時間と労力を注ぎ込む辞書編集者たちの息遣いが、ここではリアリティをもって迫ってくるのだ。
専門辞典、古語辞典、マイナー言語の文法書までが整然と並ぶ様子は圧巻だ。ひとつの言葉の意味を追い求め、何冊もの辞書を開き比べる作業は、デジタル画面の検索では決して味わえない立体的な知覚体験を与えてくれる。言葉を愛するすべての人にとって、この空間は聖地以外の何物でもない。