ハワイ語で「切る」「スライスする」を意味するポキ。古くは先住ハワイアンが獲れたての生魚にリム(海藻)やイナムナ(キャンドルナッツの実をローストしたもの)を混ぜて食べていた素朴な保存食だった。それを世界的な美食へと押し上げたのが、サム・チョイ(Sam Choy)やロイ・ヤマグチ(Roy Yamaguchi)らによる1990年代の「ハワイアン・リージョナル・キュイジーヌ」運動である。
アジアからの移民がもたらした醤油文化と、地元ハワイの新鮮な一次産品を融合させた彼らのアプローチによって、ポキは洗練されたコンテンポラリー・ディッシュへと進化した。サム・チョイが提唱した「素材の鮮度を殺さず、オイルと香味野菜で旨味を幾重にも重ねる」という思想は、現代のハワイ料理(Hawaiian Cuisine)全般における絶対的な指標となっている。