ジャンルを選ばない表現の幅広さも特筆に値する。息詰まるサスペンス作品では、一見善良に見える隣人が見せる狂気を見事に体現し、観る者を戦慄させる。一方で、心温まるヒューマンドラマにおいては、不器用ながらも深い愛情を注ぐ父親や上司の姿を等身大で演じ、涙を誘う。
日本放送協会(NHK)の大河ドラマや特集ドラマでも、時代背景に溶け込む確かな時代劇の所作とリアリティを提供してきた。歴史の重みに負けない佇まいは、日本映画界やテレビ界の歴史を支えてきた職人技そのものだ。どんな世界観にも違和感なく溶け込むカメレオンのような適応力は、今なお進化を続けている。