K-POP業界には、標準契約期間である7年を迎えるタイミングでメンバーの脱退やグループの空中分解が相次ぐ、いわゆる「K-POP 魔の7年ジンクス」が存在します。2016年8月にデビューしたBLACKPINKにとって、満7年を迎えた2023年はまさにその正念場でした。当時、韓国・海外の金融街や芸能メディアでは「契約合意に至らず解散へ向かうのではないか」というBLACKPINK 解散の噂がセンセーショナルに飛び交いました。
実際、当時のYGエンターテインメントの株価は、メンバーの契約動向が報じられるたびに乱高下を記録。2023年秋には、一部メンバーの移籍金として数百億ウォン(数十億円規模)が提示されたという信憑性の高い報道が各紙を賑わせました。クリエイティブの主導権や収益分配、さらには過密スケジュールによる心身の疲労を巡り、YG首脳陣とメンバー側の交渉は数カ月間にわたり難航を極めたと伝えられています。
しかし、2023年12月6日、YGは市場の懸念を払拭する公式プレスリリースを発信しました。「BLACKPINKと慎重な議論を重ねた結果、深い信頼を基盤にグループ活動に対する専属契約を締結した」と正式に発表したのです。これにより、世界中のファンを恐怖に陥れた解散の噂は完全に粉砕され、4人は7年ジンクスを乗り越えた数少ないレジェンドグループとして歴史にその名を刻みました。
特筆すべきは、彼女たちが選んだのが「グループの看板を守りながら、個人の自由を完全に手に入れる」という、韓国芸能界でも極めて前例の少ないハイブリッド型の契約スキームだった点です。所属事務所の強固な統制下で活動を強いられる従来のシステムから脱却し、成熟したプロフェッショナルとして自らのキャリアをセルフプロデュースする道筋を切り拓いた瞬間でした。