筆記具が書けなくなるトラブルの裏には、物理的・化学的なさまざまな要因が絡み合っている。最も頻繁に発生するのが、ペン先に取り付けられた微小な金属球「ボール」の固着だ。溶剤が蒸発して乾いた溶剤膜や、用紙の繊維くずが隙間に詰まることで、ボールの回転が阻害される。
また、ペン先を水平以上に向けて書く「上向き筆記」にも注意が必要だ。重力によって軸内のインクが後方へ下がり、ボールとインクの間に空気が巻き込まれる「気泡の噛み込み」を引き起こす。さらに、長期間放置されたことでインク自体が固化・分離する経年劣化も無視できない要素だ。