「キャリパーカバーを付けたままで車検に通るのか」という疑問に対し、結論から言えば大半のケースで不合格、あるいは整備工場から入庫拒否を受けます。これには道路運送車両法の保安基準と、知的財産法上の重大な理由があります。
まず、保安基準における「制動装置の確実な取り付けおよび作動(道路運送車両の保安基準第12条・審査事務規程)」において、走行中に緩みや脱落のおそれがある部品の付加は明確に禁じられています。特にシリコン接着剤や両面テープ、簡易スプリングだけで固定された汎用カバーは「脱落の危険性がある突起物・異物」と判定され、車検ラインで不合格となります。
また、正規ディーラーや大手カー用品チェーン(オートバックス、イエローハット等)では、認証工場・指定工場の看板を守るコンプライアンスの観点から、キャリパーカバー装着車のピットイン自体を断る運用が標準化しています。車検時だけでなく、日常のオイル交換やタイヤ交換すら拒否されるリスクがあるのです。
さらに見過ごせないのがブレンボ(Brembo)などの偽ロゴを冠したカバーの違法性です。実在する有名ブレーキメーカーのロゴを無断で使用した粗悪なコピー品は、商標法第2条および第25条の「商標権の侵害」、さらには不正競争防止法に抵触する違法商品です。個人輸入やフリマアプリ等で売買・装着することは、偽ブランド品市場を助長するだけでなく、車検現場でコンプライアンス違反として厳しく指摘される対象となります。