SNSやQ&Aサイトに寄せられる菜の花のおひたしの失敗談を精査すると、「食べる時に水分が滲み出てだしが薄まる」「ぎゅっと絞りすぎて茎が潰れてボロボロになった」という2大トラブルが浮かび上がります。
プロの現場では、この現象を回避するために「しょうゆ洗い(地洗い)」という伝統技法が用いられています。冷水から引き揚げて軽く絞った菜の花に、小さじ1程度の醤油(または薄めた白だし)を回しかけ、全体に軽く馴染ませてからもう一度軽く絞る手法です。
この工程を挟むことで、野菜の表面に残った余分な水分が浸透圧によって外へ押し出され、本漬けのだし汁が薄まるのを完全に防ぐことができます。また、手で力任せに雑巾のように絞るのではなく、巻きすや清潔なキッチンペーパーに包んで手のひら全体で包み込むように均一な圧力をかけることで、細胞を傷つけずにパリッとした繊維の歯ごたえを保持することが可能です。