「蕎麦は生き物。気温や湿度、粉の水分量によって、毎日打ち方を変えなければならない」と語る地元の蕎麦職人の言葉には重みがある。毎朝夜明け前から粉と対話し、指先の感覚だけを頼りに完璧な水回しを行う職人技は、まさに和食文化の真骨頂といえるだろう。
さらに見逃せないのが「つゆ」へのこだわりだ。厳選された利尻昆布や本枯節から丁寧に引いた出汁に、じっくりと寝かせた本醸造醤油のかえしを合わせる。十割蕎麦の力強い風味に負けない深みとキレを持つ出汁があってこそ、最後の一滴まで楽しむ蕎麦湯の時間が完璧なものとなる。