タイパ(タイムパフォーマンス)や効率性が叫ばれる2026年現在、旅行者のマインドにも変化が見られる。単に有名なスポットを素早く回るだけの観光から、その土地の歴史や食文化に深く浸り、ゆったりとした時間を消費する「体験型スローフード旅」への回帰だ。
久礼大正町市場は、まさにその急先鋒と言える。列車や車を乗り継ぎ、決してアクセスが容易とは言えない高知の沿岸部に足を運ぶ。そして、魚が運ばれてくるのを待ち、店主の話を聞きながらゆっくりと食を楽しむ。この「時間の手間」こそが、現代人にとって最高の癒やしであり、贅沢な体験となっているのだ。