作品全体に批判が集まる中で、現場の俳優陣に向けられた評価は明確に切り分ける必要があります。ヒロインの比嘉暢子を演じた黒島結菜に対しては、初期に「感情表現が一本調子」「無神経に見える」といったキャラクターに起因する批判が一部で浴びせられました。しかし、当時の撮影関係者の証言や業界内の評価を追うと、彼女がいかに過酷な役回りを誠実に全うしていたかが見えてきます。
沖縄出身である黒島結菜は、故郷を舞台にした記念碑的作品の看板を背負い、ハードな調理シーンの吹き替えをほぼ使わずに自ら包丁を握り続けました。脚本から求められる「天真爛漫で猪突猛進」という極端な指示に対し、一切の逃げ場がない中で全力で演じ切ったプロフェッショナリズムは、共演者やスタッフから高く称賛されています。実際、劇中で暢子が見せた調理時の手際の良さや、沖縄の豊かな自然の中で見せた透明感あふれる佇まいは、彼女自身の高い身体能力と演技力を証明していました。
また、猛烈なバッシングの標的となったニーニー役の竜星涼についても、放送終了後には「あれほど視聴者を本気で苛立たせたのは、竜星涼の怪演があったからこそ」という手のひらを返したような絶賛が相次ぎました。母役の仲間由紀恵、鶴見の沖縄県人会会長を演じた片岡鶴太郎、イタリア料理店のオーナー役の原田美枝子など、脇を固めるベテラン陣の盤石な芝居があったからこそ、荒唐無稽なプロットであってもドラマとしての体裁が辛うじて保たれていたのです。