烏山頭ダムのほとりには、八田与一の銅像がひっそりと佇んでいる。軍服姿で威張るような一般的な銅像とは異なり、作業着を着て地面に腰掛け、頭を手で支えて深く考え込んでいる姿だ。このユニークなポーズこそ、彼がどれほど現場を愛し、悩みに寄り添っていたかを物語っている。
毎年5月8日の命日には、この銅像の前で盛大な追悼式が行われる。八田の遺徳を偲ぶ人々が集まり、線香を上げ、祈りを捧げる。彼を単なる歴史上の人物ではなく、土地を守る「神(水利の神様)」として敬うその姿は、台湾独特の温かい精神文化の表れと言えるだろう。