結論から明かすと、チェルシーという単語はフランス語ではありません。フランス語の辞書をいくら探しても、一般名詞としての「Chelsea」という単語は見当たりません。では、なぜここまで多くの人々が「チェルシーはフランス語なのではないか」と検索し、噂が広がったのでしょうか。
その最大の要因は、日本人が抱く「フランス的なエレガンス」のイメージと、明治チェルシーが築き上げた洗練された世界観の一致にあります。漆黒のベースに浮かび上がる鮮やかなピンクやグリーンの小花柄は、どこかヨーロッパのアンティーク磁器や、18世紀フランスのロココ調の優雅なテキスタイルを想起させます。
さらに、音韻としての心地よさも影響しています。「シェリー(chérie)」や「シャトー(château)」といったフランス語特有の柔らかく気品ある響きと、「チェルシー」という語感が自然と結びつき、フランスの上品な言葉やスイーツ用語であるという錯覚が長年にわたって定着したといえます。