池田勇人「貧乏人は麦を食え」の真実!暴言に隠されたメディアの罠の重要ポイントをご紹介します。専門的な知識が満載です。

池田の冷徹とも取れる現実主義の背景には、首相である吉田茂からの絶対的な信任があった。占領下からの独立と経済自立を達成するためには、米の配給統制や価格補給金に頼る護送船団方式からの脱却が急務だった。主食の自由な流通を促し、国の財政赤字を止めることが、日本の国際復帰に向けた絶対条件だったのだ。

戸川猪佐武の不朽の名作『小説 吉田学校』でも描かれた通り、池田は数字と理論で戦後を立て直そうとした実務家である。感情に寄り添う甘い言葉を吐く政治家が溢れる中で、大蔵省官僚出身の池田は耳当たりの悪い真実を語ることを恐れなかった。その愚直なまでの合理性が、マスコミにとって格好の標的となったことは皮肉と言うほかない。