歴代エンディングの中でも、とりわけ視聴者の記憶に深く焼き付いているのが、西城秀樹さんが熱唱した「走れ正直者」と、太田光さん・田中裕二さんによる「アララの呪文 爆チュー問題」です。これらの名曲はどのような奇跡的な経緯で誕生したのでしょうか。
作中に登場するまる子の実姉・さきこが「ヒデキの大ファン」である設定は有名ですが、これは原作者・さくらももこ先生本人の実体験が色濃く反映されたものでした。先生自身が西城秀樹さんの大ファンであり、「いつかアニメの主題歌を秀樹さんに歌ってほしい」という情熱的な直筆の手紙を送り、オファーを快諾されたことでコラボレーションが結実しました。
楽曲制作を担当した織田哲郎氏は、当時イギリスで台頭していたスカやネオ・スカ、高速パンクビートを大胆に導入。西城秀樹さんの代名詞であった情熱的な歌謡曲スタイルとは一線を画す、圧倒的なスピード感とナンセンスな歌詞がぶつかり合いました。当時のレコーディング関係者の証言によると、西城秀樹さんは「こんなに速いテンポの曲は初めて歌うけれど、めちゃくちゃ面白い!」とスタジオで楽しそうにマイクへ向かったといいます。完成した楽曲は、アイドルの枠を破壊した本物のロックボーカリスト・西城秀樹の底力を世に見せつける結果となりました。
一方、2004年から約7年半という歴代最長スパンでオンエアされた「アララの呪文」は、フジテレビ系列の子ども番組『ポンキッキーズ』から生まれたネズミのキャラクター「爆チュー問題」との越境タッグでした。岡本真夜さんが手掛けた親しみやすいメロディに、パパイヤ鈴木氏が振り付けた愛らしいダンスが見事にマッチ。当時、日本中の幼稚園や小学校の運動会で定番曲として採用され、2000年代に子ども時代を過ごした世代にとって「身体が自然と動く一生モノのアンセム」となりました。