なぜ渋沢栄一の子孫には、これほどまでに多様な分野で才能を発揮する人物が多いのだろうか。その答えの一端は、栄一自身が持っていた「論語と算盤」に象徴される豊かな教養と、新しいものに果敢に挑む開拓者精神にある。
渋沢家は単なる財閥にとどまらず、教育や福祉、文化事業の支援にも情熱を注いだ。そうした環境の中で育まれた子孫たちは、金融業界やビジネスの世界だけに縛られることなく、自らの感性を信じて映画、演劇、音楽、文学といったエンタメ・芸術の世界へと飛び出していった。一族の家系図を辿ることは、日本の近代エンターテインメント史の裏側を覗き込むような刺激に満ちている。