「Tシャツを丸めるとシワだらけになる」という通説がありますが、繊維の物理特性を検証すると、これは半分正しく、半分は誤解であることが分かります。布地にシワが定着する主因は「鋭角な折り目への長期的な圧力」と「湿気」です。実は、適切に巻かれたロール形状は折り目がつかないため、ポリエステル混紡や機能性化学繊維(エアリズムやドライインナー等)では最もシワになりにくい保管方法となります。
注意すべき盲点は、ヘビーウェイトの厚手コットン(綿100%)Tシャツをミリタリーロールで過度にきつく巻き上げ、長期間放置した場合です。綿繊維は圧縮された状態で湿気を吸うと、ロール状の細かい巻きジワを形状記憶してしまいます。また、胸元に厚手のラバープリントが施されたTシャツを無理に丸めると、プリント部分にひび割れが生じるリスクがあります。天然素材のグラフィックTシャツはショップ店員風の「平たたみ」を基本とし、機能性インナーや薄手の日常着を「ロールたたみ」にするという素材ごとの住み分けが不可欠です。