一作のヒットは、やがて業界全体の風景を塗り替えた。バンダイをはじめとする大手玩具メーカーが、こぞってフチに引っかける構造を持つ独自商品を市場へ投入。かつてはニッチな実験作に過ぎなかったフチ系フィギュアが、一大巨大市場へと躍進した瞬間だ。
棚の中に飾っておくだけの観賞用フィギュアから、手元のグラスやパソコンモニターに「参加する」動的なフィギュアへ。この意識改革は、日本のモノづくりにおけるユーモアの可能性を大いに広げた。ライバル商品が市場に溢れかえればかえるほど、本家が見せるシュールな切れ味が際立つという現象も実に興味深い。