出張中の移動時間は残業代が出る?知られざる支給基準と落とし穴の詳細について、最新情報を詳しくお届けします。

出張に伴う移動時間が残業代支給の対象になるのか。この疑問に対する原則的な解釈は、行政の示す判断基準に明確に示されている。厚生労働省が示すガイドラインや通達によれば、単なる目的地までの移動時間は、原則として「労働時間」には該当しないとされている。乗車中に読書をしたり休息を取ったりと、労働者が行動の自由を保障されている限り、使用者の指揮命令下に置かれているとはみなされないからだ。

しかし、ここには大きな落とし穴が存在する。休日移動や深夜移動であっても、ただ移動しているだけでは時間外手当の対象外となるのが従来の原則だ。一方で、移動中であっても上司からの具体的な指示によってパソコンを開き資料作成を命じられていた場合や、会社の重要物品や機密書類を運搬・監視しながら移動することを義務付けられていた場合は話が変わる。このような状況下では「使用者の指揮命令下にある」と判断され、移動時間そのものが労働時間へと変貌するのだ。