創価学会の内部組織において、芸能人や文化人が所属するのが「芸術部」です。1969年3月に結成されたこの組織は、音楽、演劇、舞踊、お笑いなど、多岐にわたるジャンルのプロフェッショナルで構成されています。
創価学会芸術部は単なる同好会ではなく、教団の教義である「文化運動を通じた人間革命の推進」を体現する精鋭部隊として位置づけられてきました。組織内には「芸術部長」「副部長」「女性部長」などの役職が存在し、久本雅美や山本リンダ、彦摩呂、田中美奈子といった知名度の高いタレントが長年にわたり要職を務めています。
彼らの具体的な活動は多岐にわたりますが、主軸となるのは以下の3点です。
- 会合や総会での信仰体験の発表:全国各地の文化会館で開催される幹部会や支部総会にゲストとして招かれ、下積み時代の苦悩、病気や貧困の克服、信仰によって仕事を得たエピソードを赤裸々に語ります。有名タレントが涙ながらに語る「功徳の体験談」は、一般信者の結束を強める強力な接着剤となります。
- 聖教新聞をはじめとする機関紙誌への登場:聖教新聞の一面や特集ページ、総合誌『潮』などにインタビューが掲載されます。芸術部のタレントは、師と仰ぐ池田名誉会長への感謝や、題目(南無妙法蓮華経の唱題)を唱えることで得られた心の平穏を語り、読者である学会員に勇気を与える役割を担います。
- 公明党の選挙応援活動(F票集め):国政選挙や統一地方選挙の時期になると、芸術部幹部や公表タレントが街頭演説の応援弁士として登壇します。知名度を活かした集客効果は絶大であり、一般的な有権者へのアピールとして重宝されてきました。
ある大手芸能プロダクションの関係者は、かつての芸術部の影響力について次のように証言しています。「昭和から平成にかけては、芸術部の幹部タレントが主催する食事会に若手芸人やモデルが呼ばれ、そこで入会を勧められるケースが日常茶飯事でした。断ると仕事が減るのではないかという無言のプレッシャーを感じた者も少なくありませんでした。」