日常生活や旅行の途中で礼拝の時間を迎えた場合、ムスリムはどこで祈りを捧げているのでしょうか。インバウンド対応の進展とともに、公共空間における日本のイスラム礼拝室の設置は劇的に前進しました。
真っ先に整備が進んだのは交通インフラです。空港プレイヤールーム設置場所としては、羽田空港(第2・第3ターミナル出国後エリアおよび一般エリア)、成田空港(第1・第2・第3ターミナル各所)、関西国際空港、中部国際空港、新千歳空港、福岡空港などで専用祈祷室が24時間またはフライト運行時間帯に合わせて常設されています。また鉄道網においても、JR東日本が東京駅構内に開設した「祈祷室(Praying Room)」をはじめ、京都駅や博多駅などの主要結節点で導入が進んでいます。
商業施設や観光地でも、訪日客誘致と多様性確保の観点からハラール対応と祈祷室のセット導入が一般化しました。渋谷PARCO、GINZA SIX、イオンモール幕張新都心といった旗艦商業施設では、男女別の小部屋、礼拝前の洗浄設備、そしてメッカの方角を示すサインが整備されています。一方で、すべての駅や商業施設に祈祷室があるわけではなく、外出中のムスリムが近隣のモスクを探したり、人目のつかない安全な広場・公園のベンチ脇などで敷物を広げて祈ったりする光景も依然として見られます。