今注目を集めている 膵臓がん末期の急変を見逃さない|最期のサインと家族の緊急対応について、多角的な視点をご紹介しています。

急変が発生した際、家族がパニックに陥らず適切な判断を下すための具体的フローを解説します。事前の取り決めと手順の把握が、最期の時間を平穏なものにします。

1. 容体変化時の初動確認(バイタルと意識レベル)

呼びかけに対する反応、呼吸のリズム(浅い呼吸、間隔の空き)、手足の温度を確認します。意識が急速に低下していたり、呼吸パターンが変化したりしている場合は、緩和ケア緊急時の対応として速やかに主治医・訪問看護師へ連絡を入れます。その際、「現在の血圧」「呼吸の様子」「本人の苦痛表情の有無」を簡潔に伝えます。

2. 膵臓癌末期苦痛緩和の医療処置(鎮痛薬・鎮静薬の調整)

強い腹痛や腰背部痛、がん性疼痛による体動困難がある場合、医療用麻薬(オピオイド)の持続皮下注射(PCAポンプ)のボーラス投与(臨時追加投与)を行います。また、呼吸困難感や強いせん妄・興奮がコントロールできない場合は、医師の判断のもとで「持続的鎮静(ミダゾラム等の投与)」を行い、苦痛を遮断して眠った状態を保ちます。

3. ベッドサイド環境の整備と身体的ケア

呼吸を楽にするため、上体を少し起こす(ファーラー位:15〜30度挙上)か、横向き(側臥位)にして気道分泌物の垂れ込みを防ぎます。口腔内が乾燥しやすいため、湿らせた専用スポンジブラシ等で口腔ケアを行い、唇にワセリンを塗布して潤いを保ちます。

4. 最期の声かけとスキンシップ

意識障害や昏睡に陥っていても、五感の中で聴覚は心拍停止の直前まで保たれていると医学的に考えられています。否定的な言葉や動揺の叫びは慎み、耳元で「そばにいるよ」「今まで本当にありがとう」「安心して休んでね」と穏やかに語りかけ、身体に優しく触れ続けることが、何よりの鎮静効果をもたらします。