土俵の頂点に立つ横綱・照ノ富士春雄や、鋭い取り口で土俵を沸かせる大関・豊昇龍智勝といった最高位の力士たちにとって、懸賞金は単なるボーナスを超えた巨額の収入源となる。結びの一番や注目の大一番には、制限上限いっぱいの懸賞がかかることも珍しくない。
かつては1取組あたりの懸賞本数に制限がなかった時代もあったが、現在は土俵上の安全確保や進行の都合上、指定の取組以外は上限が設定されている。それでも人気力士同士の対決ともなれば、数十本もの懸賞幕が土俵をぐるりと囲み、勝ち名乗りを上げた力士の手に分厚い束が渡される。
例えば、一場所15日間で100本の懸賞を獲得した場合、総額は700万円。力士の所得となる金額は600万円に達し、手元に入る現金だけでも300万円だ。年6場所開催される大相撲本場所を通じて勝ち続ければ、懸賞金だけで年間数千万円規模の収入に達する。実力と人気がダイレクトに金銭的評価へと変わる過酷な勝負の世界がここにある。