地域行政である新宿区役所も手をこまねいているわけではない。公園周囲の照明を大幅に増強し、フェンスを設置して視認性を高めるなど、環境犯罪学に基づいた物理的な排除策を進めてきた。さらには防犯パトロールの回数を増やし、安全な街づくりに向けた周知活動を続けている。
しかし、排除策を強めれば強めるほど、困窮する女性たちはより見えにくい場所、より危険な人物の元へと追いやられる。行政には防犯対策と同時に、保護や生活困窮者支援、心理的ケアといった包括的なセーフティネットの提供が求められているが、治安維持と福祉支援のバランスをどう取るかという難題に突き当たっている。