1場所で数百万円から数千万円もの懸賞金を獲得する人気力士たちですが、そのお金はそのまま懐に残るわけではありません。税務上の取り扱いもしっかりと定められています。
力士が手にする懸賞金は、税法上「事業所得」として扱われます。サラリーマンの一時的な臨時収入(一時所得)とは異なり、個人事業主としての本業の営業収入とみなされるためです。
課税対象となる金額は、土俵上で受け取った現金3万円だけでなく、協会に積み立てられた3万円を合わせた「1本につき6万円分」です(協会の手数料1万円を除いた全額)。
年間で何百本もの懸賞を獲得する関取は、毎年2月から3月にかけて確定申告を行います。獲得した懸賞金総額に基本給(番付ごとの月給)などを合算し、そこから部屋の若い衆へのご祝儀や食事代、巡業経費、トレーナー費用や身体のメンテナンス代などを「必要経費」として差し引いて最終的な所得税額を算出します。土俵上で手にした大金は、過酷な勝負の世界を生き抜くための自己投資や周囲への還元資金として循環しています。