日本の裏社会の勢力図を見る上で、稲川会と国内最大組織である六代目山口組との関係性は決定的な意味を持つ。両組織は長きにわたり親戚関係を結び、緊密な協調関係を維持してきた。東西の二大勢力が手を握ることで、大規模な衝突を未然に防ぐ抑止力として機能してきた側面は否定できない。
だが、その友好関係の裏側には常に張り詰めた緊張感が漂う。会館で行われる慶弔行事やトップ同士の面会は、単なる儀礼ではなく力関係の確認作業に他ならない。関西発信の激震が関東へどう波及するのか。両者のバランスが崩れた瞬間、アンダーグラウンドの均衡が一気に瓦解するリスクを常に孕んでいる。