実際に開示請求を受け、損害賠償を命じられた過去の投稿者たちの実態を取材すると、意外な共通点が浮かび上がる。彼らの多くは特殊な犯罪者集団ではなく、ごく普通の日常を送る会社員や主婦、あるいは学生たちだ。現実生活におけるストレスや承認欲求のこじれが、画面の向こうにいるアイドルへの攻撃へと変換されていた。
ある加害者はこう口を揃える。「大勢が叩いていたから自分も乗っかっただけ」「まさか自分が裁判沙汰になるとは思わなかった」。軽い気持ちで放たれた一言が、結果として数百万円規模の損害賠償責任や、社会的信用失墜という甚大な代償となって本人に跳ね返ってくる。匿名画面の裏側にある「想像力の欠如」が、加害者自身の人生をも破壊していく。