2000年代を代表する傑作クライム・サispエンス『ディパーテッド』。その撮影現場は、常に一触即発の緊迫感に包まれていた。潜入捜査官を演じたレオナルド・ディカプリオに対し、冷酷無比なマフィアのボスを演じたジャック・ニコルソンが見せたパフォーマンスは、まさに圧巻の一言だ。
有名なテーブル越しの対峙シーンにおいて、ニコルソンは台本にない「本物の小道具の銃」を突如ディカプリオに向けて突きつけた。事前通告なしの狂気に満ちた即興演技。ディカプリオの顔に浮かんだ真に迫る恐怖と興奮は、芝居を超えた生々しいリアクションだったと後に明かされている。若き演技派と伝説の怪物が互いの魂をぶつけ合った瞬間である。