ネット社会において、なぜ「逮捕されていない人間」の逮捕説がここまで強固に信じ込まれてしまうのか。そこには現代のデジタル空間が抱える構造的な盲点が存在します。
多くのネットユーザーが見落としているのは、「検索サジェストの自己増殖システム」です。誰かが「DJ社長は最近見ないが、逮捕されたのか?」と一度検索すると、検索エンジンはそのキーワードを関連語として候補に表示します。それを見た別のユーザーが「えっ、逮捕されたの?」とさらに検索する。この相互作用が繰り返されることで、実態が存在しないにもかかわらず「dj社長 逮捕」というワードが定着してしまうのです。
さらに、インフルエンサービジネス特有の「公私混同のツケ」も看過できません。破天荒さや反体制的なアティテュードを売りにするクリエイターは、フォロワーの熱狂を獲得する一方で、一般層からは「いつ犯罪に手を染めてもおかしくない危うい存在」というバイアスで見られがちです。真面目に債務返済や事業再生と向き合っていても、一度貼られた「問題児」のレッテルを剥がすことは極めて困難であるという冷厳な現実を示しています。