「ドジャースの曲(Dodgers song)」と聞いて現地ファンが即座に思い浮かべるのは、試合終了のブザーとともに響き渡る歓喜のナンバーや、7回裏の攻撃前に全員で肩を組んで合唱する伝統歌です。ドジャー・スタジアムにおける音響演出は、メジャーリーグ屈指の洗練度を誇り、試合展開と完全にシンクロするように綿密に設計されています。
象徴的なのが、7回表終了時のセブンス・インニング・ストレッチで歌い継がれる『Take Me Out to the Ball Game(私を野球に連れてって)』です。全米どの球場でも歌われる不朽のクラシックですが、ドジャースタジアムでは歴史あるパイプオルガンの音色に合わせ、5万人を超える観衆が立ち上がって合唱します。スタジアムの一体感を頂点へと導くこの儀式は、ドジャースの野球文化そのものと言えます。
さらにチャンス到来時に鳴り響くホーンセクションのフレーズや、相手投手を威圧するシンセサイザーの重低音、得点時にスタジアムを包み込む高揚感あふれるビートなど、一連の流れは計算されたエンターテインメントとして機能しています。単なる試合観戦にとどまらず、五感でロサンゼルスの空気を体感できる構成こそが、世界中のファンを惹きつけてやまない理由です。