他の被告の裁判が進む中で、北海道の法廷取材団を震撼させた場面がありました。共犯者らの公判証言において、八木原被告が暴行の現場でどのような態度をとっていたのかが浮き彫りになった瞬間です。
証言台に立ったある被告が、当時の八木原被告の様子について曖昧な証言を繰り返した際、「今の答えでいいの?」と裁判長が他の質問をさえぎり、厳しい口調で真実の吐露を迫る場面がありました。法廷内に走った緊張感は、この事件がいかに組織的な隠蔽と責任のなすり合いをはらんでいたかを雄弁に物語っています。
八木原被告側の弁護方針における最大の争点は、「暴行の共謀」および「強盗の故意」がどの時点で成立したのかという点です。弁護側は「暴行がエスカレートして命を落とすことまで予見できなかった」「金銭を奪う計画に最初から加わっていたわけではない」と主張し、強盗致死罪の成立を否定して恐喝罪や傷害致死の従属的関与にとどまると主張を展開。これに対し検察側は、被害者が抵抗不能に陥っている現場でキャッシュカードの暗証番号を聞き出し、実際にATMで現金を引き出して山分けに関与した一連の行動を挙げ、「強盗致死罪の共同正犯は明白」と厳しく断罪しています。