ネット上の掲示板やSNSで定期的に議論されるのが、「だしの素は塩分が多いから腐らない」「賞味期限が切れても何年も使える」という誤解です。しかし、調味料の科学的観点から見ると、これは大きなリスクを孕んでいます。
メーカーが定めるだしの素の賞味期限は、未開封状態で製造から約1年〜1年半(12〜18ヶ月)です。賞味期限を過ぎたからといって即座に腐敗するわけではありませんが、かつお節由来の不飽和脂肪酸が徐々に酸化し、特有の芳醇なアロマは失われていきます。
特に注意すべきは「開封後の吸湿と風味劣化」です。顆粒だしの主成分である塩分や糖類は空気中の水分を強烈に引き寄せます。袋を開けたまま常温放置したり、調理中の鍋の真上で湿気を吸わせながら振り入れたりすると、内部でダマが発生し、最悪の場合はカビの発生原因になります。
鮮度を保つためのプロの保存作法は、開封後に密閉容器へ移し替え、乾燥剤を同封した上で冷暗所または冷蔵庫のドアポケットに保管することです。冷蔵保管した場合は、使用時に結露を防ぐため速やかに扉へ戻す習慣が長持ちの秘訣です。